【感想】老後破産 長寿という悪夢

普通の人たちが老後破産に陥る

老後破産に陥っているのは別に怠けていたわけではない、
高度経済成長を支えてきた普通の人たちです。

この本に出て来た人たちは、独身の人がやや多かったけど、
ちゃんと働いていたし、主婦だって子育てや地域に貢献していました。
それが誰でも起こり得る事で、困窮する生活に陥ってしまうんです。

きっかけ

一番大きなきっかけとなるのは、健康を損ねてしまったことです。
健康ならギリギリでやっていけるところが、
医療費や不自由な身体ゆえに貯金を取り崩してしまいます。

そのため、本来受けなければいけない介護サービスを減らしたり、
通院しなかったりで、ますます病状は重症化していく悪循環。
そして悪化による入院と貯金を失う事でようやく受けられる生活保護…。
生活保護まで落ちるその手前で、受けられる支援って他にないものですかね…。

親族の善意が支援を阻む

また家族が、子供が居るから、大丈夫というわけでは決してないんです。
できる範囲で介護しているつもりなんだろうけど
親族の中途半端な「善意の介入」、そして見栄や世間体も相まって、
介護サービスを受ける事を断ってしまうことも。
皮肉にも孤立無縁の方が支援をしやすい、受けやすい現実があります。

子供の存在が足枷になる

自分一人ならカツカツだけど年金でやっていける人も、
食い詰めた子供が実家に戻って来たが為に、
生活が破綻してしまうケースもありました。

この件、ホント他人事じゃないなと思いました。
私も実家に戻ってきてしまったし…。

解決方法はお金

あとがきに書いてあるんですが、
「結局、高齢者問題はお金でほとんど解決できるのです」
ということ。

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個人でできることで今からどうしておくか、ちゃんと考えたいです。

いつまでにいくら貯めておくのか。
いつまで稼ぎ続けられるだろうか。
健康寿命をどのくらいまで保てるのかはわからないけど、
どう維持していくのか。

とりあえず、半端な家族の関わりで支援が阻まれることがある、
ということをこの本で知れたのは大きかったような気がします。
婚活とかやったことないけれど、
結婚や出産を頑張ってすることはないなと思えたので。
したくてする分にはいいんですけど、
その見返りは必ずしもない、ということを自覚さえしていれば。

 

老後破産:長寿という悪夢

老後破産:長寿という悪夢