人手不足で倒産ってあるかもね

以前勤めていた会社が求人を出しているのを目にしました。
しかし人が集まらないのか、単に採用に至らないのか不明ですが、
何度も求人を出してるようです。ネットで見た限りでは。

その求人内容そのものより、他に気になる部分が2つありました。
自分が居た頃と比べると社員数が減っていたことと、
年間休日も少し減っていたことです。

最近この求人票よりも、もっと詳しい資料を見つけました。
「会社名 求人」でググったら普通に出てきたものです。

それによると、自分が辞めた後も毎年何人か辞め、
でもって新しく雇った人数よりもさらに輪をかけた人数が、
辞めているのが資料からわかりました。

 

一応会社のいい面を書いておくと、
経営状態は安定している、と在職中に経理の人間から聞いたことがあります。
法人しか相手をしていないし、取引先も紳士的な人が多いようです。
それと休日出勤はなかったですね。

社員旅行ではいいホテルに泊まれて、食事も良かった。もちろん会社持ち。
(研修旅行も兼ねているのでレポート書かなきゃいけないんだけども。なんか助成金が下りるという噂を耳にした)

では経営状況も取引先も社員旅行もいいのに、何で人材流出が止まらないのでしょうか。
これは中小企業あるあるですけど、各部署の人数に全く余裕がないことがまずあります。

具体的な例を挙げると、
一応製造業だったのですが、出荷の実作業だけを専門にする人がいませんでした。
まあ毎日出荷するほど生産量が多くないというのが理由らしいですけど。
(手配する人はいるが、量が多すぎてその人一人だけで出荷作業はできない。)
規模が大きな目な同業他社は専任のスタッフがいます。
最低限パートぐらいは入れてました。

というわけで手の空いた人間が応援にいくわけですが、
人の余裕のある部署など基本的にないんです。でも納期は待ってくれません。
なのでそのしわ寄せは新人がかぶることになります。

(勤続10年以上をここでは古参としておく)
古参は各部署の主戦力になっているので、そこから抜けられません。
新人に仕事をさせるより古参がした方が早いし、教える暇もないし。
よって出荷作業が発生するとまず新人(というか下っ端)が
駆り出されることになります。

自分の場合も下がなかなか入ってこないのもあって、よくそちらに回されました。
月も半ばを過ぎるのに、ほとんどPC触ってない日が続きました。
そんな状態であったため、自分の専門のスキルなんてつくわけがないですよ。
派遣の今の方が色々やらせてもらってるぐらいですし。

そんな訳でメインの仕事に戻った時、スキル不足を実感します。
このように人を育てる余裕も人数もないので、キャリアの少なさの割に
職務の責任が大きくなるのもしんどいかもしれない。

辞めた後、自分が抜けたポジションに求人を出しているのを見たことがあります。
そして誰か入ったようですが、すぐ辞めた模様。
おそらく理由は今書いたものも原因の一つではなかろうかと。
出荷作業も時々ならいい気分転換になるのですがね。自分は嫌いじゃなかったですけど。


あとは、職場の雰囲気、環境ですね。
社長はボンボンの割に口が悪く怒鳴ることも往々にあるため、怒られているのが自分でなくてもかなり不愉快です。そんな訳で雰囲気は察してください。
今の派遣先は覇気のない人が多いので、却って過ごしやすいです。

他の細々とした事もあるけど、それは置いといて
自分が一番精神的にきたのは、
有給休暇の処理の仕方が途中から変わったことでした。

有給休暇は付与された年に使いきれなかったら翌年に回され、2年で消滅します。
有給を使った場合も前年より繰り越し分から消化していく。
どの会社で働いてもこうだったし、入社してしばらくはそうでした。

ところがある時社長が、就業規則を変更するから各自で読んで、
異議がなかったらサインしてくれと言ってきました。
社員は高卒・専門卒がほとんどを占める低学歴ばかりです。
各自、目は通したものの、
どの箇所を変更されたのか誰も見つけることはできませんでした。
そして誰も異議を唱えることなくサインしました。

(最低限Fラン大学にでも通って、一般教養で法学を修めておけば、
これらの事態は防げたのだろうかな。なんて無駄な妄想でしょうか。)

ともかく新しい就業規則は恐ろしいことになってました。
有給休暇は付与された年に使いきれなかったら翌年に回され、2年で消滅する。
ここまでは同じ。

ここから先が変更されてました。
有給を使った場合当年付与から消化していくことになったと。

 

はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?なんじゃそりゃ。

 

でもねこれ、法的に新しい方から減らそうが、古い方から減らそうが、
問題ないらしいです。トラブル多いみたいですけど!!

年次有給休暇 - Wikipedia 
↑↑消化する年次有給休暇の付与分というところに詳しく載ってます。

とはいえ教養のないあの社長がそこまでの知恵者とは、とても思えないです。
多分社労士か経営者仲間の入れ知恵だと、もっぱらの噂でした。

 

あー、中小企業の社長、決して真似しないように。
社員減るから。長い目で見ると。
リストラしたかったらどうぞー。

この有給の件が一番精神的にきたかもしれないです。
法的に問題なくても、会社に対してすっかり信用なくしちゃいました。
就業規則を読んでサインしたのはお前だろって言われたし。
嫌なら辞めろって言葉よく言われたなー。

 

そんなわけで新人は入社3年を待たずにぽろぽろと辞めていきます。
に引き替え古参社員はほとんど辞めません。(寿or出産ぐらいで)
古参社員たちはみんな仲がいい。今まで会社で遭ったつらかったこと、
楽しかったことを共に乗り越えてきた仲間だ。もはや戦友といってもいい。

彼らが辞めないのは、居心地のいい仲間との人間関係と住宅ローンだと思います。
今から辞めてイチから人間関係作るの大変だし、こんな仲間そうそう作れないから。

あと何気に彼らのほとんどを氷河期世代が占めてます。さすが我慢強いです。
彼らの社外の友人たちも似たような労働環境のようで、そんな話を聞いたら、
辞めてまで他社に行こうなんて考えを持たないんでしょう。

自分は古参と同世代でしたけど、戦友と呼べるほど彼らとのストーリーを
共有していません。それに住宅ローンもないし。
なので同じ負荷を掛けると新人は辞めるし、古参は残る。

今の景気がいいとは実感できないけど、氷河期よりは悪くないと思います。
求職者だって寄り好みしても、もっといい企業を選べるわけで。

だから今回の求人で人が来るのかはわかりません。
それに入ったからといっていつまで持つかわからないし。
なので人手不足で倒産っていうのも、
このままだと充分起こり得るんじゃないだろうかと危惧しております。

辞めた会社に情けを掛けるわけじゃないけど、
経営状態は悪くないのに潰れてしまうのはさすがに勿体ないと思うので。

まあ娯楽として年1ペースで定点観測しておこうかな、なんて思います。